アキの公式ブログ

トレード関係の備忘録

FOMC議事録&議会証言 ひよるパウエル議長

アキです!

 

昨日はパウエル議長の議会証言&FOMC議事録公表がビッグイベントでしたが、動きましたね!

まずは、昨日のハイライトを見ましょう。

 

【S&P500指数 30分足】

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見ての通り、大きく上昇しています。

東京時間21:30に議会証言の原稿が事前に公表されましたが、そのタイミングで一気に買われました。

S&P500は史上最高値をわずかに更新しました。

 

ではおさらいしましょう。

 

 

ーーーーーーーーーー【議会証言】-----ーーーーー

ハト派。前回7/5の雇用統計の数字が底堅い内容だったので、

「ホントに利下げか、、、?」

と思っていた疑り深い市場参加者はわずかにいましたが、今回見事にパウエル氏がその疑念を蹴散らしました!

 

jp.reuters.com

 

パウエル氏:

「必要に応じて行動する」

貿易摩擦を巡る不透明性が漂う」

「米経済見通しに影」

「製造業、貿易、投資は世界的に低調」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー【FOMC議事要旨】-----------

前回6/18&6/19の議事録です。

この時は米中対立が激化している時でした。

(この後G20開催時の6月末に米中首脳会議が実施され、ようやく交渉を再開しようという流れになりました)

jp.reuters.com

 

「米中貿易摩擦の影響を緩和するために、」

「年間2%の目標を下回り続けている物価を押し上げるために、」

 

金利を下げるべきだ!」

 

というメンバーの声がある一方、

 

「利下げする根拠ねーよ」

 

というメンバーも一部いた模様です。

 

 

 

では利下げの予想をみてみましょう。

【2019年7/31】

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0.25%利下げが69.3%

0.50%利下げが30.7%

(利下げ確率100%)

 

【2019年12月】

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年末までだとばらけますね。

0.25~1.00%利下げです。

 

 

ここで利下げする根拠をおさらいしましょう。

6/18・19のFOMCの議事録によれば、

①米中貿易摩擦の影響の緩和のため

②物価を目標の2%まで押し上げるため

 

この2点です。

①は確かに6/18・19の時点では米中の通商協議は中断され、対立が激化していました。

→現時点ではG20の際に米中首脳会議が実施され、交渉が再開されて対立が緩和されました。

 

②物価はどうでしょう?

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直近1.5~2.0%くらいを推移しています。

ふむふむ。

ちなみにこのグラフで言えば、2017年あたりと2016年以前は1.5%程度だったり、それ以下だったりするわけですが、アメリカは2015年末~2018年9月の期間に段階的に利上げしています・・・。

 

「現在1.5~2.0%の物価 → 物価押し上げのために利下げしよう!」

っていうのロジックは厳しくないですかね?

「前回の利上げ期間は現在より物価が低い時期もあったのに、今回は利下げっておかしくねぇ?笑」

という意味です。笑

 

ちなみに利下げというのは超重要なカードです。

下記のチャートをみてください。

アメリ政策金利

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https://nikkeiyosoku.com/fomc/

前回利下げを実施したのは2007年8月~2008月12月です。リーマンショック時です。

(前回利上げ時期は2015年12月~2018年9月)

今回利下げするとしたら約11年ぶりです。

利下げ&利上げというのは一気に資金の動きが変わりうる重要なイベントなのです。

 

 

では「データ次第」が口癖のパウエル議長はどのデータをみているのでしょう?

他のデータが利下げの根拠となっているのでしょうか?

一般的に重要と言われているいくつかのデータをみてみましょう。

前回の利下げ時と比較していきましょう。

【S&P500】

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https://nikkeiyosoku.com/fomc/

なるほど、前回はS&P500が暴落する中、それを食い止めようとする形で利下げをしています。

 

(ん?今史上最高値じゃね?)

 

【失業率】

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https://ecodb.net/exec/trans_country.php?d=LUR&c1=US&c2=JP

(都合上日本のデータものっていますが、無視してください)

前回利下げ時は、2007年で4.62%、2008年で5.80%です。

そしてその後、リーマンショックの影響で8~9%程度です。

金融ショックが起きてから実体経済に影響が起きるまで少し時間差があることを考慮すると、根拠十分なタイミングで利下げを開始しています。

 

 

(現在3%台。ん?これって完全雇用状態じゃね?)

 

【平均時給(前年比)】

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https://jp.investing.com/economic-calendar/average-hourly-earnings-1777

これは過去データがうまくみつかりませんでした。

が、現状3%台です。

 

 

 

うーむ。

利下げの根拠はなんなのでしょう?

議会証言でも今一つ利下げの根拠がわからない。

 

皆さんも考えてみてください。

 

 、、、

 

、、、

 

、、、

 

まー、答えは1つですね。笑

おそらくですけどね。笑笑

 

 

 

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この人でしょ!笑

 

 

トランプ大統領は今まで再三再四FRBに口先介入してきました。

「利上げするな!」

「利下げだ!」

FRBは何やってんだ!」

「パウエル更迭するぞ!」

 

何度もトランプ大統領に脅されて、さすがにパウエル氏もFRBもひより始めましたね。笑

そしてトランプ大統領としては、大統領選挙を乗り切るために、なんとしてでも一旦はある程度自分の実績を良い状態に仕上げる必要があります。

そのために、米中の対立も一旦は緩和させています。

今のところ利下げアナウンスは絶大です。現在S&P500指数は史上最高値付近です。

【S&P500 週足】

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FRBは独立機関じゃなかったのかい!」

 

という突っ込みが聞こえてきそうですが。笑

と思いきや、誰かがちくりと突っ込んでいます。

先ほどの記事↓↓

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-powell-idJPKCN1U51QJ

後半に、

トランプ大統領から辞任を求められたら、荷物をまとめてFRBを去るのか」

と。ちょっと皮肉っぽい遠回しな嫌味な突っ込みですね。笑

 

 

さて、以上のことを考えると大統領選挙終了までの間は、米中の対立が激化する可能性は低いし、「利下げ」というセーフティーネットもあります。

ってことを考えると意外と下方向のリスクは低いのではないでしょうか。

この考え方は戦略として取り入れのはありだと思い始めました。

ちょっと戦略を練ってみます。

 

まあ、大統領選挙終了後は米中対立の激化は必至でしょうがな!笑

 

 

ではまたー!